バケーションレンタルの市場規模は18兆円超え!イグジットに急ぐ世界プレイヤーたち

Airbnb、民泊のキーワードが目立つバケーションレンタル市場。その規模は北米で4兆円、2019年までに18兆円を超えるとされています。この掘り起こされる宝の山は、大小多くのプレイヤーたちでひきしめあっています。

Airbnbを聞くと、ハリウッド映画『ホリデイ(The Holiday)』を連想する方もいるでしょう。この映画では、恋と仕事に疲れた2人の女性が現実から逃げるように旅行へ出かける物語がはじまります。Airbnbな点は冒頭、お互いの素性も知らない2人がオンライン上でやり取りを交わしているうちに、まるで自分たちの生活を取り替えるように、ホームエクスチェンジをするところ。

ホームエクスチェンジとは、お互いの家を交換し合い旅行する旅のかたちのこと。旅行する際に、自分の滞在予定地に住んでいる者が、同じ日程で自分の居住地への旅行を計画していることで成り立つ。

この仕組みの最大の利点は、宿泊費を支払う必要がないことである。自動車等の附帯物の利用が、可能な場合もある。また、まるで居住者のように生活することができ、異文化を体験できることも魅力のひとつである。しかしながら、各種条件を満たす旅行者を知人の中から探し出すことは極めて難しいことから、インターネット上の会員マッチングサービスを利用することが、一般的となっている。

(出典): ホームエクスチェンジ – Wikipedia

この仕組みは昔からあったものですが、近年一大ムーブメントとなっています。Airbnbを筆頭格とした、バケーションレンタル市場は勢いが凄まじく、市場規模は国内で11億円、北米では4兆円にもなるとされています。これまでの仕組みとの大きな違いは、インターネットで信頼の裏付けが取れる点でしょう。ホリデイが公開された2006年は、ちょうどフェイスブックがようやく浸透し始めたころで、SNSを利用して何かする、という域まで発展していませんでした。

AirbnbやUberのようなシェアリングエコノミーが市場で安心のうえで機能するためには、SNSのような個人情報がオープンであることが前提になります。見知らぬ人と初めて出会うサービスの多くがSNS連携を推奨しており、そうでなくても顔写真や、名前などを特定しなければ利用できません。


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バケーションレンタル市場でウォッチする5つの視点

それでは、このバケーションレンタル市場の現状を、見ていきましょう。

2019年までに170Bドル(約18兆円)まで見積もられる驚異的な市場。スペイン・バルセロナで事業をおこなうRentals Unitedによると、下記の5ポイントがバケーションレンタル市場を壊す要素になるといわれています。

① ホテルやその他宿泊施設による専門性の向上

AirbnbをはじめとするP2Pの空きリソース有効活用のためのプラットフォームが引き締め合うなかで、既存の事業者たちは焦っています。彼らが新規サービスに打ち勝つためには、アメニティの増強、ネットワーク、そしてテクノロジーの活用とされています。
P2Pに押されているからこそ、ホテルには見直しが問われています。専門的なツールの作成と、信頼できる徹底された人材の育成、この2つがキーになることでしょう。

② バケーションレンタルに参入してくるスタートアップたち

より多くのスタートアップが今後もバケーションレンタル市場に参画してくると考えられます。価格破壊が怒っていくことが予想されます。自動でのチェックイン/チェックアウト、専用保険、オートマーケティング機能、競争がますます激しくなることが断定できます。

③ 大手企業によるスタートアップ投資/買収が活発化

HyattHotelがOneFineStayに投資。ExpediaはHomeAwayを買収、Booking.comがvillasをローンチしました。新しい市場が誕生したいま、大手たちが大金を動かし、なるべく弱火の段階で市場を抑えていこうという動きが見られています。

④ ブッキングシステムが改善されていく

自動予約が、市場の新しい常識になるとされています。リアルタイムの対応が、長年、バケーションレンタル市場で相変わらず求められています。そして、今年、テクノロジーは一層進化していくだろうと予想されています。

⑤ IoTと絡み合うバケーションレンタル

市場におけるテクノロジーの進歩が、リアルタイムで取り入れられています。HEMSやBluetoothを搭載したオートロックキー、高性能な火災報知器、盗難警報器といったハードウェアが家庭よりも早く施設に取り入れられていくでしょう。ソフトウェアもまた同じく、チャネル管理やデータマイニングツールが価格最適化を生んでいくでしょう。

バケーションレンタルで注目の8スタートアップ

Vactia

サービス名 Vacatia(バケーティア)
創業 2013年
資金調達額 約16億円
サービス内容 カリフォルニアで創業。休暇を取る家族連れのためのリゾートマーケットプレイス。ARDA(American Resort Development Association)のメンバーでもあります。

MyVR

サービス名 MyVR(マイブイアール)
創業 2010年10月
資金調達額 約1.5億円
サービス内容 Hipmunkのバケーションレンタル版。すべてのバケーションレンタルサイトを網羅し、情報をまとめて価格比較を出してくれます。Y Combinator卒業生。

Demure

サービス名 Demeure(ドミール)
創業 2009年
資金調達額 約8億円
サービス内容 カナダで創業。ハイエンドにターゲットを絞り込んだAirbnbを提供しているサービス。通常のブッキング機能に加えて、プレミアムの定額プランも設定しています。

Vaycay Hero

サービス名 Vaycay Hero(バケーヒーロー)
創業 2013年1月
資金調達額 約4億円
サービス内容 カリフォルニアで創業。”失敗しないバケーションレンタル”を掲げ、すぐにカスタマーサポート受付に対応してくれるコンシェルジュを用意し、100%正確に間違いない予約やリクエストに応じられるような仕組みをつくっています。

Wimdu

サービス名 Wimdu(ウィンドゥ)
創業 2011年3月
資金調達額 2016年10月に9flatsに売却
サービス内容 ライプチヒで創業。ちょうどAirbnbのストレートに競合としてドイツで始まったP2Pのバケーションレンタルサービス。90億円を調達したあとに、9flatsに売却が決まりました。

Lodgify

サービス名 Lodgify(ロッジファイ)
創業 2012年6月
資金調達額 約2.5億円
サービス内容 バルセロナで創業。オンラインショップを簡単に作ることができるShopfyのバケーションレンタル版。個人やスモールビジネスが、簡単にバケーションレンタル製品をつくることができる仕組みを提供しています。

Knok

サービス名 Knok(ノック)
創業 2011年5月
資金調達額 約1億円
サービス内容 バルセロナで創業。一般的なホームエクスチェンジサービスを提供しており、長期休暇に向けてサービス利用者が増加する傾向にあります。

Inspirato

サービス名 Inspirato(インスパイラト)
創業 2011年
資金調達額 約70億円
サービス内容 コロラドで創業。American Expressと提携し、高級バケーションレンタルを年額会員制のプランでのみ提供しています。富裕層向け。

ヨーロッパを起点に渦巻くバケーションレンタルの波

ヨーロッパ勢が強い市場であることが分かりました。これはバケーションレンタル市場を覆う、旅行市場そのものが、アメリカよりもヨーロッパを中心としたユーラシア大陸全土に集中していることが原因だと考えられます。

Airbnbは2015年以降に、3つのスタートアップを買収し、全体を俯瞰しても大手企業の買収活動がより一層強まることが予想されます。そして、大手企業発のジョイントベンチャー事例も同様に増えていくと思われます。今後は、要所に絞ったスタートアップの部分的買収の傾向も強まり、もはや宝の山状態が今後も進んでいくと考えられます。