スタートアップのシード投資。資金調達を受けるタイミングと、企業評価の気になる相場について。

スタートアップの成長に切っても切り離せない、「資金調達」。生まれてすぐのスタートアップはどのタイミングで、どんな武装をして投資家との交渉に臨めば良いのでしょうか。一般的に参考となる情報を一挙、まとめてみました。

スタートアップする上で、『資金調達』は隣り合わせの課題です。お金が足りていないときに補充先として、助成金や銀行からの借り入れの手もありますが、成長スピードが段違いとされるスタートアプに限っては株式との取引となるエクイティファイナンスが設けられることがあります。

エクイティファイナンスが行われる相手は、相手が金融機関に限らず、投資を専門に担当するベンチャーキャピタル、大企業の一部門として機能するCVC、また個人で投資をおこなうエンジェル投資家であったりします。資金を調達する代わりに、会社の株式を渡すことになります。
今回は、スタートアップをはじめる起業家たちのタイミング・調達額の相場について説明してきたいと思います。

そもそも、どうして資金調達をするのか?

事業をするために固定資産が必要、リソースが足りてない、スタートアップには様々な障壁が出てきますが、総じてスピードを上げるために資金が必要となると考えるのが妥当でしょう。受託開発、コンサルを受けながら資金を稼いでいくには勝機を逃してしまう。スタートアップの寿命は失敗しても、成功しても、10年以内が勝負であり、ここでチャンスを逃さないためには少数先鋭の機動性に、スピード力で圧倒しなければ競合に勝つことができません。

シードラウンドにおける調達規模ってどれくらいなのか?

シードラウンドは、100〜300万円から5,000万円以上まで様々なパターンがあるため、相場は一概には言えないというのが答えです。企業評価額は、サービスの進捗具合、成長曲線だけでなく、チームメンバーや、アイデアの可能性も要因に起することになります。
今回は、幾つかシードラウンド向けの有名なアクセラレーターを3つ紹介していきたいと思います。

Y Combinator

アクセラレーター名 Y Combinator(ワイコンビネーター)
拠点 アメリカ、シリコンバレー
投資額 約1,200万円/7%
主な投資先 Airbnb / Dropbox / Stripe / Instacart / Anyperkなど
説明 シリコンバレーを拠点に、ユニコーン(企業評価額1,000億円以上で、非上場企業)を多く輩出しているポールグレハムが作ったことでも有名なアクセラレーター。ビデオや、ブログで活動を公開し、採択企業に限らず世界中のスタートアップの力になっています。

<参考:起業のススメ。Airbnb、Dropboxを見出したポールグラハムの引用7選

500Startups

アクセラレーター名 500Startups(ファイブハンドレッドスタートアップス)
拠点 アメリカ、シリコンバレー
投資額 約1,200万円/5%
主な投資先 Grabtaxi / Twilio / Credit Karmaなど
説明 シリコンバレーを拠点に世界50カ国1,200社以上に出資する、世界最大級のシード投資ファンド。スタートアップ業界で著名な投資家であるデイブマクルーアが指揮をとっており、これまでも幾つものユニコーン企業を輩出してきました。

Code Republic

アクセラレーター名 Code Republic(コードリパブリック)
拠点 日本、東京
投資額 700万円/7%
主な投資先 サークルイン / BaseConnect / クロスビット / トーキョーサンマルナナなど
説明 East Venturesと、YahooのCVCであるYJキャピタルの共同で設けられたアクセラレーター。各分野のスペシャリストや、先輩起業家を迎え、スタートアップの基礎から徹底的に学び、実践に生かすことができる場となっています。

資金調達を受けるタイミングっていつなのか?

シードラウンドで受けるべきタイミングはいつなのでしょうか。これもスタートアップによって様々で、アイデア段階で出資を受ける企業もあれば、売上を順当に伸ばしていても資金を受けられない企業もあります。参考までに、シードラウンドの兆しが見えてくるタイミングを紹介していきたいと思います。

Ramen Profitableができているか?

Y Combinatorのポールグラハムが書いたエッセイで有名な「ラーメン代稼ぎ」。これは、生活する上で食っていけるインスタントラーメンを買うお金を運営しているサービスで利益を出せているかを示す指標です。ギリギリでも売上を出していることで、投資家に足元を見られることがなく、対等な出資を受けられると言われています。

成長率が週次9%達成しているか?

投資家がもっとも着目する点は成長率としています。サービスの核となるKPIを選定し、これが週次9%以上で伸びていることで、将来有望なスタートアップであると判断されることがあります。成長はスタートアップにとって、一番大事な意識で、成長できているかどうかがスタートアップであるかどうかともされます。

どんな逆境にも耐えられるチームであるか?

投資家の中には、サービスやアイデア以上にチームに投資をするパターンもあり、資金を預けても期待できるスキルセット、マインドセットを兼ね揃えたチームであるかが問われるようになります。ITサービスであれば、チームの中にエンジニアがいることが必須条件であることもあります。

資金調達を受けるメリット・デメリット

一見、華やかに見える資金調達ですが、実際のところはどうなのでしょうか。メリットとデメリットに分けてそれぞれ説明していきたいと思います。

資金調達を受けるメリット

投資家からアドバイスを受けられる

様々な事業を見てきた、あるいは自身が起業をして成功したことで得たアドバイスを会社をともにすることで受けることができます。経験がないスタートアップには価値のあるナレッジとなりえます。

事業提携先が紹介される

特にCVCでは、本元が運営しているサービスと連携したり、リーズナブルに広告を打つことができるようになります。事業シナジー先を紹介してもらえることは、まだ力が弱いスタートアップには強力な要ともなりえます。

返済義務がない

銀行からの借り入れと異なり、資金調達には返済する義務がありません。失敗してお金をショートしてしまったとしても、それは借金にはなりません。一方でだからこそ、資金調達には大きな責任がお伴うものだともされています。

資金調達を受けるデメリット

株式保有率が下がる

株を渡すことになるため、当然起業家側が持つ株式の保有率は下がることになります。株式保有が下がることで、イグジットした時のリターンだけでなく、経営権を渡すことにもなり、渡しすぎてしまうことで、思ったように経営ができなくなるリスクがあります。

相場やタイミングはプロを参考に、判断するのがベター

資金調達の相場やタイミングは、経験の浅いスタートアップでは判断するのが難しいのが現実です。だからといって、投資家側の思惑通りに過小評価されてしまうのを避けるためには、適正なタイミングで複数の投資家に当たってみるのが良いでしょう。
どの投資家も頷かなければそれは調達のタイミングではないことになり、また調達額も提示された額をいくつか参照して判断するのが賢いやり方になるでしょう。