ふつうの人ヒアリングしてませんか? 1年間サービスヒアリングをしてきて気づいたこと

ユーザーヒアリングは、誰にするかが肝です。プロダクトをローンチする前(もしくはローンチした後でも一切ユーザーがついていない)には、誰かにヒアリングして作っていくべきですが、ヒアリングする人をつねに間違えていることが多いものです。今回は、ユーザーヒアリングを「誰に」するべきかを説明します。

スタートアップにとって、モノやサービスを生み出す過程において「ユーザーヒアリング」が大切なフェーズになります。生み出したところで、それが誰にも使われなければ意味がないからです。したがって、多くのスタートアップはユーザーヒアリングに多大なる時間をかけており、かけるべきであるとも言えるでしょう。

実際のところ、1年で4つほどサービスを出してみて、どのサービスでもヒアリングを欠かさずやってみましたが、なぜかうまくはいきませんでした。そこで、1年やり続けたヒアリングで気づいたこと、改善しなければならないことがあったので、今回は紹介していきたいと思います。

本当にユーザーヒアリングできていますか?

多くのスタートアップは「ユーザーヒアリング」を初期の段階でできていません。そもそも、プロダクトがない状態であれば「ユーザー」がそもそもいないので、やりようがないということもあります。しかし、誰もユーザーにならないプロダクトをとりあえず作ったとしても、それはリスクやコストになってしまいます。

たとえ、プロダクトを持っていなかったとしても、プロダクトを利用する可能性があると見込まれるユーザーに対しては徹底的なヒアリングをおこなっていく必要があるのです。

アンケートになっていませんか?

ユーザーヒアリングとアンケートは別物です。リソースが足りないスタートアップにアンケート集計は全く必要ありません。量よりも圧倒的に質の高い情報をインプットし、早い段階でプロダクトに反映させていかなければなりません。

「スマートフォンは使いますか?」、「男性ですか?女性ですか?」、「海外へ行って通信環境に困った経験はありませんか?」統計を取ったところで、それは自分の手の届く範囲での情報であって市場分析として使えるものではありません。

そして、アンケートをしているスタートアップは友人、家族、身の回りの人、誰ふり構わず同じ質問を投げかけて「いけるか」、「いけないか」の判断材料をしています。ヒアリングは、ふつうの人にしても全く意味がないどころか、悪影響であるといえます。
では、有効にプロダクトに反映できるヒアリングをおこなう為にはローンチ前、いったい誰から意見を聞けばよろしいのでしょうか?

ユーザーになりえる可能性のある3要素

プロダクトがいない状態のヒアリングは、下記の3つにあてはまる属性の人以外は避けるべきです。今回はわかりやすい例として、空いてるスペースを宿泊施設として旅行客に貸し出すことができる「Airbnb」を例にとって考えていきたいと思います。

競合他社のプロダクトを利用している

Airbnbがはじまる4年前より、すでにカウチサーフィンがありました。空いてるスペースを宿泊所として知らない人に貸し出すという部分を切り取れば、Airbnbとほぼ同様のサービスであり、違いはお金がかかるか、かからないかです。カウチサーフィンでホストをしている人は、すでに知らない人を泊めるというハードルをクリアしており、Airbnbの見込みユーザーとなりうる可能性が高いです。

すでに代替手段を用いて、行為を習慣化している

世界最大のクラシファイドサイトのクレイグリストは、中古家具の売買や、部屋探しなど生活にまつわる掲示板として機能していました。その掲示板上で、現在のAirbnbのように知らない人の家に数日間宿泊するというアイデアはおこなわれていました。こうして、専用のプラットフォームがないので、仕方なく別のサイトや方法(代替手段)で行動をしている人も、ユーザーになる可能性が高い。

プロダクトによって解決される問題を抱えている

スタートアップは従来、問題を解決するために生まれます。Airbnbでいえば、住んでいる家にいらない空きスペースが余っているけど有効活用できていないという問題を解決します。こうした家に過剰スペースを持っていて、「困った!」と考えている人たちもユーザーヒアリングの対象になります。

あなたが一番のユーザーであるべき

Airbnbはサンフランシスコに滞在しながらも、住んでいるロフトの家賃を払うことに苦しんでいるブライアンチェスキーとジョーゲビアが「そうだ!マットレスをひいてロフトの空いているスペースを宿泊施設にすればお金を稼げる!」というアイデアを思いつき、実際にそれを実行し始めたところからスタートしました。

まず、なによりも自分が問題を抱えている、競合他社のサービスを使っているけれどどこか物足りなさを感じている状態であること。つまり、自分自身が生み出すサービスのユーザーであることは、モチベーションおよび検証において、もっとも巨大なパワーになることでしょう。